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2006年4月19日 (水)

出会いの季節

渋井(以下、S):4月になりましたね。この時期は、新しい出会いがあると思いますが、ロブさん、なにか、新しい出会いはありましたか?私はほとんどありません。飲み屋ではいつも新しい出会いはあって、4月ならでは、って感じではないですし。あとは、仕事関係くらいでしょうか。この前、仕事をしている雑誌に新人が入ったことで紹介されたくらいですね。

ロブ(以下、R):新しい出会いはないですね。やっぱり編集者くらいしか…、否、ありました。今月から塾講師を始めて小学生や中学生との出会いはありましたね。昨日は、初めてレギュラーで毎週小学校2年生を教えることになったのですが、会う前に聞くと超問題児。何が問題かというとインセンティブ(やる気)の問題で、今まで担当してきた先生がさじを投げて、僕が担当になったんです。
 面接の時に、「勉強が苦手な子どもを教えるのが得意」なんかて言ってしまったからでしょうか(笑)でも、僕の場合、雑談が多いので、どうにか心を一回目から開いてくれたようです。でも、男の子ですよ(微笑)

S:出会いといえば、インターネットの世界でも、新規ユーザが出てきたり、あるいはひとり暮らしを始めた人たちが孤独感や寂しさ、暇つぶし等のために、新しいサイトを探したり、出会い系に登録する、といった新しい出会い探しをするような時期です。それを見越してか、出会い系のSPAMも多いですが。

R:スパムは多いですね。僕は、毎日150通は来ます。有料エロサイトに登録してたから、アドレスが流出してしまってるんですね(笑)。でも、出会い系サイトへの誘導メールも巧みになってきましたよね。普通のメールで、「助けて」なんて書かれてると、危うく返信してしまいそうになってしまいます。
 相談メールは、この時期は数が少ないものの、大学に入って、急に調子が悪くなって困ってる人は多いみたいです。季節の変わり目と環境の変化が影響してるんでしょうけど。

S:スパムは、スパムとして扱うと頭にきますが、暇つぶしとして、いろいろ読んでみると、おもしろいものも増えてきましたよね。「助けて!」ってのも確かにありましたし、タイトルが「re:re:re・・・」みたいになっていて、いかにもメール交換していたかのうようなものもあったり、友だちを装うみたいなものもありますよね。あとは、エッチな女性になりきっているのは当たり前ですが、出張ホスト募集のようなものがありますよね。ちなみに、ホスト募集は、登録詐欺も多いですが、たまに本物があるようですね。
 この時期、相談メールはロブさんも減りますか。私も毎年、この時期は少ないですね。やはり、新しい学年、学期、あるいは新しい学校や就職先への期待感もあるだろうし、必死に適応しようとする時期ですからね。不安を感じながらも、適応しようと一生懸命なんでしょうね。そもそもこの社会に適応すべき価値があるのかといった発想になれば別ですが、それで適応できれば、とりあえず不安はなくなるわけですし。

R:中学から高校、高校から大学生、専門学校生など、一般的に普通に決まったコースに 進む人は、生きづらさから解放されるチャンスだと思って、頑張っている時期でしょうからね。まあ、生きづらさから解放されるなんて思ってはいないでしょうけど(笑)
 でも、フリーターとかに何となくなる人は、5月のG.W以降にドーンと落ち込むことが、多いように思います。今でも、「希望」、「出会い」、「旅立ち」なんてキーワードで追い詰められてるという感じもします。
 ただ、日本は四季折々の変化がはっきりある珍しい国ですからね。日照時間の長くなるこの時期は、積極的に外に出て新たな出会いを求めることで、世界観が変わると思うんですが。


S:私の経験でいえば、大学一年のとき、4月は希望と同時に幻滅を覚えました。マスコミでよく「大学はレジャーランドだ」とか「大学生は遊んでいる」とか言っていた時期だったでしょ。うちは、そんな経済的余裕があるわけではないし、仕送りなしの条件で大学進学を許された「下流」だったせいもあって、遊びながらも、勉強をするときはするのが大学生と思っていたのが、裏切られました。まあ、入学した大学のせいかと最初は思っていましたが、違うこともわかった。仮に勉強するにしても、いかにテストでよい点をとるか、よい就職をするための勉強をするか。
 私が理想として描いていた、真理の追究、なんて学生はほとんどいない。当時の私には納得がいかなかった。でもやっぱり遊ぶ方がいいのか、と思って、オールラウンド系のサークルに入ろうとしたんですが、活動費が高くて、会費を払わなかった。すると、先輩の女性がなぜか説得しに来ていましたが。そうした大学生に適応しようと最初はしましたが、そうした雰囲気に適応するのを辞めたのはGWですね。
 ある女性が言っていたんですが、「そんなの二日でわかったわ。だから、私は大学に行くのを辞めた。渋井さんはよく言ったね」と。おそらく、私が行ったのは多少の期待がまだあったから。サークルで、授業とは違った面から勉強できるところでしたし。それに、せっかく大学に入ったのだからそれまでの時間とお金をむだにしたくないと思った。あとは、辞めて何をするかはわからなかった。
 そんなとき、古本屋で見つけた本が、ロシアの哲学者・プレハーノフの『歴史における個人の役割』(岩波文庫)。大学を卒業するまで何度も読み続けた、私にとっての、バイブルでしたね。あのころは、迷うたびに古本屋で本を探しましたね。20歳の誕生日には、高野悦子の『二十歳の原点』(新潮社)を見つけたりしてました。

R:僕が入学した、98年前後からレジャーランド化はストップし、ダブルスクールで、大学と専門学校に通う人が増え出しました。だから、僕が大学生の頃は、いわゆるオールラウンドサークルも少なくなってきて、一人暮らしが減り始めていました。だから、大学で新しい出会いを求める人は減っている感覚がありました。
 今も、ナンパする人は減って、SNSのオフなんかで知り合ったり、出会い系でセフレを簡単に探して、セックスまでの道をショートカットする。もちろん、匿名メディアという観点からは、伝言ダイヤル、テレクラもありましたが、もっとコミュニケーションが出会いにはあった気がするんです。でも、最近は「割り切る」という言葉で、友情を深める、愛情を深めるという過程をすっ飛ばしたがる人が多いような…。
 でも、逆にそういうコミュ二ヶケーション過程を欲してる人が、生きづらいと感じてる気がします。
 まあ、出会いの多様性と言ってしまえばそれまでですが、「出会い」という響きの新鮮みがどんどん失われているとロマンチスト(笑)の僕は思ってしまうんです。

S:ダブルスクールは私の頃にもありましたよ。特に私は法学部ですから、法律専門学校に通っている人もいました。それに、サークルの先輩にも専門学校に通っている人はいましたね。私のイメージでは、レジャーランドだから、ダブルスクールがあったんじゃないか、と思っていたのですが。
 オールラウンドサークルはたしかに、テニスサークルとともに衰退したいったように思います。でも、イベントサークルはなかったですか?集団強姦で名前が知れわたった早稲田を中心としたインカレのイベントサークル・スパーフリーも、私の時代からあったように思うんですよね。
 ロブさんがそう思っていたということは、時代の問題なのか、それとも所属していた大学の問題なのか。どっちなのでしょう?
 恋愛やセックスまでのコミュニケーションをショートカットするのは、私としても、ポパイやホットドックプレスなどの恋愛マニュアル世代としては寂しいです。90年代の恋愛マニュアルでは、会話や雰囲気作りは重視していましたからね(笑)。でも、逆に言えば、恋愛やセックスにそれほど時間をかけるほどの価値がなくなってきた、とも言えます。付き合っている人がいることに価値があるんであって、好きな人がいること自体はどうでもいいんじゃないかな。

R:ダブルスクールでも、大学は学歴(学校歴)用で、資格を取るために専門学校に行き、専門学校も大学生用のコースを用意し始めたのは、98年前後だと思います。この頃に、分数計算のできない大学生がマスコミで問題視され始めましたから。イベントサークルは数がかなり少なくなっていましたね。サークルの数が少なくなって、インカレが増えていました。早稲田なんかとも提携してたサークルは多かったかな。
 ただ、就職氷河期でしたから、ダブルスクールでも大学も真面目に通って、専門学校にも通うからサークルには入らないって人が多くなった時期かもしれません。だから、大学内での恋愛ってのは少なかった。むしろ、バイト先でカレシ・カノジョと出会うというのが僕の周りには多かったような気がします。
 ただ、最近は、付き合うってのがどの辺からってのが曖昧になってきたでしょう。セックスがないことで必要以上に悩んで、夫婦、カップルカウンセリングに行く。そういう人がいる一方で、セックスと、付き合うのを機能分化してる人もいますし、その辺は出会いの多様性と符合してるのかなと思いますね。

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